東京湾の海賊　航海日誌　06

カモメ団�A　〜出港！〜

　パターン化されました。

　次の年からレンタル艇を借りて海へ出るのですが、その同乗者はほとんどが私の留学生たちでした。夢を抱いて日本へ留学して、必死に勉強してきたのに家庭の事情で帰国しなければならなくなった学生や、悩みを抱えて凹んでいる学生、こんな留学生を見つけては、海へ出ました。

　東京湾…。

　海には女神がいる。

　凹んだ心を持った背中を押してくれる風を導く女神が。

　そんなことを思わせる東京湾クルーズ、っつうか、モーターボートだけどね。

　パターンとして、留学生を連れて初めて海に出た時は、運が良かったのか冬の海だったからなのか、風が静かで、三枚洲を抜けて東京湾の沖へ出ることができた。けど、夏の海はなかなか沖へ出るのは難しかったね。

　それで、ある程度沖へ出たら、すぐに葛西臨海公園の前の運河へ針路を変更して、そのまま荒川の河口へ出たら、一気に突っ切って、夢の島マリーナ方面へ向かうようにした。

　それでも、運河を抜けて、東京レインボーブリッジへ出て記念写真を撮るのが『おきて』だったから、レインボーブリッジへ出た。

　夢の島マリーナで食事をしたのは、この時が初めてだったね。

　午後になると波が高くなり、やはり、帰路の荒川河口は波が高かった。それで、激しく揺れながら、波を見て舵を取った。

　後ろに座っている学生たちは大喜び！

　こっちは必死（笑）。

　ガンガン波を被って、みんなずぶ濡れになりながらも、ディズニーランドより面白い！とか言いながら、愉しんでくれたよ。

　やっぱ、海の女神のご加護だね。

2003.08.02

　ヨーホー！！