大学入試小論文テーマ⑤

経済・経営

経済・経営

作文・小論文 例題集

●どのような資質(知識・性格)を持った経営者があなたの理想ですか。その理由も書いて下さい。
●米国でのテロの影響を受け、海外旅行を手控える日本人が多く見られました。日本の旅行代理店も打撃を被っています。あなたが旅行代理店の経営者だと仮定して、旅行客を取り戻すために、どのような手段を講じますか、また、その効果をどのように予想しますか。
●あなたの目から見た現代日本社会の特徴について、その長所と短所を具体的に述べよ。
●日本経済が低迷しているのはなぜですか。それを早急に回復させるために何が必要とされていますか。自由に論じなさい。
●日本をはじめ多くの先進国では少子化が進んでいます。このまま行けばどのような問題が生じると思いますか、説明して下さい。


●以下の文章を読み、思うところを論じなさい。
 中国の台頭は、日本に多くの機会と挑戦をもたらしている。多くの日本企業は中国を潜在的に有望な市場、投資先として見ている。しかし一方で、中国からの輸入の増加は、企業の倒産や失業の増大など、国内産業の調整圧力を強めることになる。これを背景に、国内産業の「空洞化」の懸念が高まっており、「中国脅威論」が浮上している。現に、セーフガードの発動など、中国と日本の貿易摩擦が激化している。
 しかし、国内の産業を守るために輸入に障壁を設けることは、対症療法に過ぎない。これは産業構造の高度化を促すどころか、むしろ遅らせる要因になりかねないのである。実際、先進国における衰退産業が政府の保護政策によって競争力を回復した事例は皆無である。日本は「空洞化なき高度化」を達成するためにも、輸入制限や補助金で労働や資本、土地などの資源を競争力のなくなった産業に固定させるのではなく、生産性の上昇を妨げる要因を取り除き、新産業の育成に力を注がなければならない。
 近年見られる国内の失業率の急上昇は、空洞化がもたらした何よりの証拠であると見なされている。しかし、産業高度化の過程に伴う労働の需要と供給にミスマッチが生じている現れでもあるという側面も見逃してはならない。現に、従来型の産業には過剰感が高まる一方、一部の新しい分野では人材不足という現象も起こり、これに対処するために、IT産業を中心に、海外から人材を調達する動きが活発化している。最終的には産業のニーズに合わせた教育改革が欠かせない。
 それと同時に、日本が中国の活力を積極的に利用すべきである。日中間が競合的よりも補完的経済構造を持っていることを考えれば、双方が協力し合うことによって得られる利益は大きいはずである。現に直接投資や委託加工、開発輸入など、いろいろな形で中国の豊富な労働力と日本の高い技術力を活かしながら成功を収めている企業が増えつつある。ユニクロ人気に象徴されるように、このような経営努力は企業自身の収益の向上につながるだけでなく、中国から安価かつ良質な製品の輸入を増やすことを通じて、日本の消費者にも大きなメリットをもたらしている。いかに摩擦を避けながら、中国との潜在的補完性を実現していくかは、日本にとって重要な課題になっている。
(関忠雄「日本の雇用機会を奪っているのは中国ではない」『世界』2002年1月号より)


●次の文章の感想を書きなさい。
 公共的な乗り物にシルバーシートなるものが出現してから、もうずいぶんときが経つが、私は、これが出現したときにかなり違和感を抱いた。今では既成事実に慣れてしまって、ほとんどだれもこのシステムに異を唱える人はいないようだ。だが、私の違和感は依然としておさまらない。
 現在は「優先席」と名指しされて、老人だけでなく、障害者、妊婦、小さい子ども連れの乗客などの絵記号シールが貼ってあるのを見かける。また、「お年寄り、体のご不自由な方、小さいお子さんをお連れの方には席を譲りましょう」といった放送が繰り返し流れてくることもある。
 この場合、問いたいのは、これらの「弱者」をいたわる心情そのものの是非ではない。こういう枠組みをわざわざルールのように設定して、あなた方一般乗客は、どんな場合にも絵記号シールに該当する人を優先する心がけを持たなくてはいけないのですよと啓蒙しているような、押し付けがましい姿勢についてである。
 私たちは、ごく普通の人間性を備えていれば、たまたま乗り物の中で困っている人に出会ったときに、思わず援助の手を差し伸べるものだ。
 もちろんその意志の発動にはそれぞれに限定条件がある。その種の人がいることに気づいたとき、私たちの中にはいろいろな心理が働く。たとえば自分は距離が遠すぎるから、近くの人がやってくれないだろうかとか、わざわざ人前で「善行」を示すのは気恥ずかしいとか、こっちは仕事で疲れているのだから他人など構っていられないとか、席を譲るとかえってその人のプライドを傷つけてしまうのではないだろうか、など。
 また、人間といってもいろいろである。まわりによく気配りしている人もいれば、自己中心的でまわりのことなど考えていない人、親切の押し売りをしたがる人など。
 これらは時に応じて複合的に作用して、席を譲る、譲らないの選択を条件づける。しかし、赤の他人が接触する電車のなかのような空間では、こういう限定条件は、それが他人に迷惑を及ぼすものでない限り、そのまま認められるべきなのである。  (中略)   シルバーシート、優先席のようなことさらな区画づけは、かえって、自然な接触による自然な同情心の発露を抑制してしまう可能性の方が高い。人々はそういう区画づけの前に立たされると、概して「そこに座りたいという意に反して、仕方なく規則に従う」という心理的反応しか示さない。
 他の席がふさがっていて、立っている人がいるのに、優先席だけは空いているという光景にしばしば接することがある。これは、該当者が乗り込んできたときに、規則にしたがって立ち退かなくてはならない心理的な負担感を、あらかじめ避けようとするためである。多くの人はそこに空席などないものと見なすのだ。そのことによって、かえって人は、そういう問題を自分で考えたり自らの意思で行動したりするきっかけを失うことになる。


●日本のデフレ・不況は、どのようにして克服すべきか、自分の考えを述べよ。
●バブル景気はなぜ発生して崩壊したのか。その後の日本の不況は、なぜ長引 いているのか?自分の考えを述べよ。
●中国元切上げについて、実施された後、東アジアにどのような影響を与えるか、自分の考えを述べよ。
●日中の貿易摩擦の原因と対策を述べ、日本が今後、どのような経済政策をと るのが妥当か、自分の考えを述べよ。

世界のあらゆる情報が手のひらに収まる時代、にもかかわらず、日本人はその情報の中から日本語で書かれたページだけを見て、日本語だけでコミュニケーションをとっています。自分勝手な思い込みや偏見で文章を書いても相手にされないでしょう。

 

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