大学入試小論文の書き方②

小論文の書き方

国公立大学の後期日程

 国立大学の後期日程試験を、よく『前期がダメだったから後期を頑張る』といって受験する受験生がいますが、大間違いです。勘違いしないようにしましょう。

国公立大学入試・分離分割方式

 これはちょうど今のセンター試験が名前を変える際に出来たシステムです。
 私が現役の頃は『共通一次試験』という名前で、浪人してちょうどセンター試験元年を受験しました。
 当時の受験はまさに戦争そのものでした。
 ベビーブーム世代とバブル経済が合体し、雨後の竹の子のように大学ができた時代でもありました。
 そのすさまじい競争から面白い現象が起きていました。
 ご存知のとおり、国立大学は試験科目が多いです。そして、私立大学は少ないです。
 当時の私立大学は3科目入試が主流で、今のように1科目だの選択だのという入試はほとんどありませんでした。3科目主流の時、試験科目の多い国立を嫌った受験生が私立の最高峰に集中し、その結果、私立最高峰は激しいまでの難問奇問を出題したのです。
 『重箱の隅をつっつく』という言葉がありますが、当時の早稲田大学、慶應大学、上智大学など、私立大学の雄では、半端じゃない入試問題が出題されたのです。冗談抜きで、教科書を勉強したところで合格なんかできなかったのです!!
 そして、それを象徴するかのような現象が、当り前のように起きた時代です。
 本来なら東大志望者が滑り止めに早慶上智を受験するところ、何と、滑り止めに落ちて東大に合格するような受験生がゴロゴロ出たのです。
 …って、ここらへんは、今でも時々あります。入試の中身自体が違いますから。けど、当時は冗談抜きでこういった現象が起きていたのです。
 さらにすごい話では、東大に合格したのに、某S台予備校の東大選抜クラス入塾試験に落ちた、なんて受験生さえいました。
 こういうことが当たり前のように言われた時代です。
 そこでできたのが分離分割方式でした。
 前期日程と後期日程と分け、後期日程の実施により、東大が3科目で受験できるようになったのです。
 その頃、私たち受験生の間で定説だったのが『東大は、3科目受験ができる私立大学へ優秀な人材が流れることを嫌って実施した。』というものでした。
 その効果のほどは様々なことを言われていますが、このような背景で実施されるようになったのです。
 東大の場合、競争が激しいですし、しかも、センター試験と当時の私立3科目入試問題とではレベルが違いすぎます。早慶レベル(私立大学のトップ)の3科目入試対策をしているような受験生にとって、センター試験の3科目なんぞ『赤子の手をひねる如く』ってやつでした。ほとんど満点、或いは、それに近い受験生が後期日程に殺到しました。
 その条件下での『論文試験』です(今も変わらないでしょうが)。同じ学力レベルの受験生たちが『論文』によって合否を決めるのです。
 もう、何をかいわんやです。
 こんなレベルの戦いで、実につまらない、オリコウサンの作文を書いてそれが論文だなどといって提出して、合格出来るでしょうか?  


 分かりやすいように一般的な例として東大を出しましたが、後期日程を設けた背景には、あくまでも学科試験の相対評価で入学を許可するのではなく、学科試験では測れない部分を評価し、合否判定を行うというものがあったのです。
 つまり、前期日程と後期日程では『求めている受験生の種類が違う』のです。(分かりやすく『種類』という言葉を使っていますが、差別とか人権侵害とか言う意思はありません)
 長々と書きましたが、ここで厳しいことを言います。
 ズバリ!
 後期日程の入試は、前期日程で失敗した受験生の『敗者復活戦ではない』のです!全く違う種類の受験生を求めている、と考えるようにしましょう。

 …って、そんなこと知っている、って声が聞えてきそうですが、まずそれを肝に銘じましょう!そうすれば、面接や小論文にかける意気込みは変わってくるはずです。
 志望理由書にしろ、面接にしろ、小論文にしろ、私のサイトでは『舐めるな!』と言っていますが、それがまさにこの点なのです。ですから、面接では決して『私は敗者復活戦に臨んでいます』という態度は見せないようにしましょう。
 面接官の意地悪とも思える質問も、このことを考えれば、その意味もわかってくると思います。あくまでも『後期日程では後期日程で求めている受験生を合格させる。前期の敗者復活戦ではない』という姿勢で臨んで下さい。
 もし、面接で『前期試験の敗因は何ですか?』と聞かれたら、仕方がありません。自分の敗因を冷静に分析して、素直に答えるか、或いは、気の利いた嘘を言うしかないでしょう。
 けど、そのすぐ後に必ず言って下さい!
 『はい。前期では失敗しました。けど、もともと私の本命は、今日の入試でした。』と。
 そういうと面接官は理由を尋ねると思います、って楽観視せず、尋ねない場合を考えて必ずこれに続く答え、すなわち、『後期日程が求めている受験生に相応しい返答』を答えて下さい。
 話がそれて面接の話題になってしまいましたが、論文も同じです。
 そんなわけで、『前期試験の敗者復活戦』のノリで受験する受験生は、まず不合格になるでしょう。そういう根性見え見えの論文を書いたところで、不合格どころか馬鹿にされるだけでしょう。
 後期日程の基準、それはもちろん大学によって様々です。けど、おおよその傾向は同じだと思います。

要は、小論文を舐めるな!ということです。

 

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